「部下のことがわからない」
「どうやったら部下育成が成功し、優秀な人材が育つのか知りたい」
とお考えの方達に朗報があります。
部下育成で上位5%しか知らない部下のパフォーマンスを高める要素を紹介します。
この要素を意識するだけで、部下から尊敬される上司になることが出来ます。
「周りの誰もやっていないこと」だと思うでしょう。
なぜなら95%の管理職の人が知らないことを話すからです。
最後まで読んで部下のやる気を高められる上司になってください。
部下育成で95%の人はやる気を下げている
「部下のパフォーマンスを高めるために必要なことは何ですか?」と管理職の方に尋ねると、「社員の優れた仕事に対する評価」がやる気を高め幸せになると回答しました。
正しく評価されるシステムを作ることが部下および社員のモチベーションを上げると思われています。
95%の管理職の人が思っています。
しかし最もやる気と関わりが深かった要素が『進捗のサポート』です。
「そんなことはあり得ない」と思うかもしれません。
しかし事実は進捗のサポートが最も部下のやる気を高める要因だとわかっています。
新入社員の部下育成をお探しの方へ
「ここ数年で入社する新入社員は何を考えているかわからない」と思いませんか。
ここ数年はZ世代(1996年〜2012年生まれ)と言われる、生まれた時からデジタルデバイスが身近にあった世代が入社します。
より理解を深めるためにZ世代だけの部下育成に関する記事を執筆しました。
新入社員の考えや、どうしたらやる気になるかがわかるので併せて読んでみてください。
部下育成で上司ができることは3つだけ
部下育成で上司ができることは『進捗のサポート』以外にあと2つあります。
部下育成で上司ができる3つのことは
- 進捗のサポート
- 直接的なサポート
- 間接的なサポート
以上の3つです。
進捗のサポートが最も大切な要因で、残り2つを進捗をより高めるためのサポートです。
部下育成で上司が行う直接的なサポートの具体例
直接的なサポートは非常に簡単です。
部下が困っていたら助けてあげるだけです。
例えば計画を立てる際に上司ができることは、客観的な立場から誤りがないか確認することです。
計画錯誤という言葉をご存知ですか。
計画を立てる際に、人は見積もりを見誤るということです。
具体的には今行なっている仕事が1週間で終わると予想すると、実際には2週間以上かかる場合があることです。
見積もりを甘くなり、「頑張れば終わるでしょ」と考えると計画は大きく崩れていきます。
部下の計画を修正する際は、期日を1.5〜2倍に伸ばすようにしてください。
期日を正確に設定するだけでも、部下は「仕事が順調に進んでいるな」と思い、やる気が高くなります。
部下育成で上司が行う間接的なサポートの具体例
間接的なサポートは2つです。
- 社会的サポート
- 感情的サポート
社会的サポートは部下が困っていたら、困っている分野に詳しい人を紹介することです。
あなたの人脈を使い、仕事がスムーズに進むように手助けすることを指します。
感情的サポートとは感謝や励まし、慰めなど感情に寄り添うサポートのことです。
特に重要なことは感謝です。
感謝されることで3つの良いことが起こります。
- 忍耐力UP
- 勇気づく
- パフォーマンス1.5倍UP
このようなメリットが起こります。
粘り強く挑戦でき、仕事のパフォーマンスが高い社員を育てるには、感謝の気持ちを常に伝えることが重要です。
仕事をしていて相手から「ありがとう」と言われる機会はあまりありません。
だからこそ感謝の気持ちを伝えてくれる人は非常に価値が高いと思います。
部下育成を成功させる4つのポイント
部下育成で重要な4つのポイントを紹介します。
- 進捗をサポートする
- 進め方は本人に決めさせる
- 成長マインドセットに目を向ける
- 注意するときは失敗談を添える
以上4つを守りながら部下を育成しましょう。
部下は失敗したくてミスをしているのではありません。
優秀な部下を育成するためには、少し考え方を変える必要があります。
これから具体的に4つのポイントを解説します。
進捗のサポートは部下育成の最優先事項
先にも話しましたが、進捗を軽視すると部下のやる気が下がります。
進捗をサポートするには部下の仕事をよく観察することが重要です。
上司であるあなたは経験豊富なので、部下がつまずいている部分が見えることでしょう。
全体を俯瞰してみることができるあなただからこそ、進捗をサポートすることが出来ます。
1週間に1度や、部下が困っている素振りを見せたときは「どこでつまずいているの?」と優しく聞いてあげましょう。
自分で解決することができるなら解決策を、他の人の力が必要なら詳しい人を紹介するなど手助けをしてあげましょう。
頼れる上司を持つと部下も安心できるのでさらに仕事が進みやすくなります。
コントロール感が幸福度を高める
部下に仕事を振ることが上司の仕事です。
しかし部下の仕事の進め方に口を出す回数は減らしましょう。
なぜならコントロール感があることで幸福度が上がるからです。
幸福度が上がると創造性、生産性、売上が上がるので結果的に会社が良い方向に進みます。
もしも締切の近い仕事を任せるときは、今行なっている仕事と任せたい仕事を把握したのち、部下と相談してください。
順番まで決められると、自分の仕事の進め方が狂うため、普段よりも仕事が進まない可能性があります。
仕事の進め方は人それぞれ違うので、割り込みタスクを入れる場合は特に相談するようにしましょう。
成長マインドセットで優秀な社員を育成
成長マインドセットと固定マインドセットについてご存知ですか。
固定マインドセットの人は、「人の能力はあらかじめ決まっている」と思い込みます。
逆に成長マインドセットの人は、「人の能力は伸ばすことができる」と思っています。
部下が全て優秀とは限りません。
だから上司であるあなたが、部下育成に成長マインドセットを持ち込まなければなりません。
出来ない理由を聞くときに注意する点があります。
「なぜ出来ないの?」と聞きがちですが、「どうすれば出来るかな?」と聞くようにしてください。
出来ないことを前提として聞くよりも、今できていないボトルネックになっていることを聞く方が解決策が見えてきます。
- やり方がわからず戸惑っているのか
- 行動する環境が整っていないのか
- 疲れ切っていて仕事が進まないのか
どの理由で部下が行動を起こせていないのかが聞いてみないとわかりません。
- 戸惑っているなら行動を明確に伝え
- 環境が整っていないなら環境を整え
- 疲れ切っているなら癒す言葉をかけ
部下の仕事が進むようにサポートするように心がけてください。
部下に期待すると成績が上がる
ピグマリオン効果(自己成就予言)を聞いたことがありますか。
相手が期待することで、期待された側は期待に応えようと努力し、結果的に期待通りの行動を取ることを指します。
実験では教師が生徒を期待するという内容ですが、部下育成でも十分に使えます。
期待をかけることで、部下の成績が伸び、優秀になるのなら期待をかけるのをやめる訳にはいきませんよね。
上司であるあなたの労力は、期待しているという言葉や行動を取るだけなので大したことではありません。
さらに相手に時間やリソースを割くことであなたの幸福度も上昇するので一石二鳥で良いことが起こります。
失敗談を話すと部下が話を聞いてくれる
部下に注意するときは失敗談を一緒に話すようにしてください。
「私が注意しているのに申し訳なさそうな態度をしないのはなぜだ?」と感じたことはありませんか。
部下にあなたがなぜ注意しているのかが伝わっていない可能性があります。
失敗談を話すメリットは2つです。
- 部下の警戒心が和らぐ
- 信頼性が増す
以上2つが失敗談を話す最大のメリットです。
人は怒られることを嫌がります。
だからこそ警戒心を解き、信頼性を高めることで、部下にあなたが話す内容が伝わりやすくなります。
知識の呪縛に注意!話が2.5%しか伝わりません
知識の呪縛とは「自分が知っていることは、相手も知っているに違いない」と思い込むことです。
「聞き手と叩き手」という実験があります。
叩き手は馴染みのある曲(誕生日の歌、ドラえもんの歌、アンパンマンマーチなど)を指で叩きます。
聞き手は叩き手が叩いている曲を当てる実験です。
すると聞き手は合計で120曲聞いたのに、3曲(正答率2.5%)しか当てることが出来ませんでした。
こんなに極端ではないと思いますが、あなたの話は伝わっていないことを頭に入れて会話すると良いでしょう。
部下がわからない表情をしていたら、「どのあたりがわかりずらかった?」と聞いてあげるのも良いかもしれません。
部下に注意するときは、「私が新人だった頃はどこがわからないと感じただろう?」と自問しながら話すとより伝わりやすくなると思います。
部下育成でトップ5%に入ろう
ほとんどの管理職は進捗が部下のやる気を高めるために重要だということを知りません。
95%の管理職は特に大切でないと回答するほどです。
上位5%の優秀な部下育成のできる上司になるためには、まずは進捗をサポートするようにしましょう。
部下が「今の仕事は前に進んでいる」と感じるようなサポートを心がけてください。
部下もミスをしたくてしているわけではありません。
一生懸命仕事をしたくても戸惑うことが必ずあります。
部下の戸惑いには敏感になり、「失敗しても私がカバーするから思いっきりやりなさい」と言えるような上司になってください。
支えてくれる上司がいるだけで部下は今よりも何倍ものパフォーマンスを出してくれるでしょう。
この記事の参考文献
『GIVE&TAKE』
著:アダム・グラント
『スイッチ!』
著:チップ・ハース&ダン・ハース
『マインドセット「やればできる! 」の研究』
著:キャロル・S・ドゥエック
『マネジャーの最も大切な仕事』
著:テレサ・アマビール&スティーブン・クレイマー