「新入社員の育成が今までと違って上手くいかない」とお困りですか。
ここ5年以内に入社した新入社員の方のほとんどがZ世代と言われる世代です。
生まれたときからタブレットやiPod、スマートフォンといったデジタル機器が周りにあった世代がZ世代です。
電話やメールよりも、LINEやショートメッセージでの対応を日常的に行っています。
ネットでものを買うのが当たり前で、アナログの娯楽をあまり知らないという特徴もあります。
その反面SNSの利用により、他人と違うことが当たり前の世界で過ごしてきたので、違うことを受け入れる能力は高いです。
この記事の目的は、よくわからないと思っているZ世代(新入社員)を理解し、会社のために育成する手助けをすることです。
最後まで読んでいただければ、Z世代の上手な接し方がわかるので、部下育成に非常に役立つでしょう。
この記事は以下の本を参考にしています。
- 『Z世代マーケティング』
著:ジェイソン・ドーシー&デニス・ヴィラ - 『マネジャーの最も大切な仕事』
著:テレサ・アマビール&スティーブン・クレイマー
Z世代の部下育成で気をつけること
Z世代の部下育成で重要な点はフィードバックの速さです。
Z世代は今までの世代と違いフィードバックが早い環境で育ってきました。
そのため自分の行動が良かったのか、悪かったのかを知りたい人が多いです。
Z世代は初めて持った携帯はスマートフォンの可能性が非常に高いです。
中学生や高校生の頃からTwitterやLINEが身近にあり、返信が早いことに慣れきっています。
日常的に早いフィードバックが得られる環境で学生時代を過ごしてきたので、会社に入ってからも素早い反応を期待しています。
Z世代が胸の内を理解する
「Z世代(新入社員)が何を考えているかわからない」という上司のあなたにZ世代が考えている胸の内を公開します。
- 雇用主は自分達の世代を理解していない
- 自分の将来全般に不安を感じている
- 自分達は他の世代に理解されていない
Z世代の実態という調査で明らかになりました。
Z世代は周りから理解されていないと感じています。
そして金銭面や仕事などでも心配を常に抱えている世代です。
Z世代に対する部下育成で大切なことは、まず理解することではないでしょうか。
理解することができれば部下育成がスムーズに進むと思います。
あなたはどの世代に分類される?
最近の若者はZ世代と言われていますが、他の世代は何があるのでしょうか。
世代を5分割しましたので参考までにご覧ください。
世代 | 年代 |
Z世代 | 1996〜2012年生まれ |
ミレニアム世代(Y世代) | 1977〜1995年生まれ |
X世代 | 1965〜1976年生まれ |
ベビーブーマー | 1946〜1964年生まれ |
伝統主義者世代(沈黙の世代) | 1945年以前 |
ここ数年で入社した新入社員のほとんどはZ世代と言われています。
今までのY世代とは少し違っているので対応や接し方に困っていることでしょう。
具体的に部下育成で何を行えば良いかをこれより紹介します。
Z世代を調査して分かった3つの部下育成方法
Z世代の部下育成で役立つ情報が出てきたので紹介します。
Z世代の部下育成で分かった3つの事実は以下の通りです。
- 会話量よりも頻度が重要
- 幸福に働くにはフィードバック
- 昇給は早い段階で期待
上記3つを覚えておくと部下育成が簡単になるでしょう。
Z世代はスマホゲームをよく行なっており、行動に対する結果が早い環境で生活してきました。
だから会社でも常に自分の行動が良いのか悪いのかを気にしながら生活しています。
Z世代は会話量よりも頻度が重要
「月に1度もしくは3ヶ月に1度、部下と話し合う時間を1〜2時間作っている」と話す上司の方は多いでしょう。
しかしZ世代は数ヶ月に1度の長い話し合いはいらないと感じています。
Z世代の実態という調査によると、Z世代の3分の2は「仕事を続けるには少なくとも2〜3週間に1回は上司からのフィードバックが欲しい」と回答しています。
さらに5人に1人は1日に1回以上のフィードバックを求めているとわかりました。
Z世代の部下育成では長い話し合いよりも、毎日の短いフィードバックが何よりも重要です。
1日に1分でもいいので新入社員のZ世代が行った行動に対して、何かしらの声かけをするようにしましょう。
1日1分でZ世代のやる気が高まり、生産的な仕事ができるなら効率的な部下育成ではないでしょうか。
Z世代が幸福に仕事をするには?
Z世代は常に辛そうに仕事をしていると感じたことはありませんか。
Z世代の新入社員を楽しく仕事をしてもらうためには何が必要でしょう。
その答えは『上司からのポジティブな励まし』です。
Z世代の実態による調査では、55%のZ世代が「週に1回以上は上司からのポジティブな励ましや後押しが欲しい」と回答しています。
さらに毎日欲しいというZ世代は30%もいます。
重要なことは励ましや後押しです。
仕事をする上で新入社員は「ちゃんとできているのかな」と不安な状態で作業しています。
この不安を取り除く手助けをしてくれるだけで安心して仕事をすることができます。
Z世代の新入社員が不安そうなときは積極的にポジティブな励ましや後押しをしてあげてください。
Z世代の昇給に対する考え方
Z世代は他の世代よりも3ヶ月も早く昇給を期待しています。
普通の会社では1年に1回の昇給が当たり前ですが、Z世代からすると1年も待つことができません。
Z世代の実態による調査では、69%のZ世代が「9ヶ月いないの昇給を期待する」と回答しています。
昇給を早く期待するのもやはりSNSやゲームのような、行動に対する結果が早く出る環境に影響されてのでしょう。
ちなみにミレニアム世代(Z世代の前の世代)では、12ヶ月以内の昇給を期待しています。
昇給に関しては会社側で6ヶ月に1回と見直しをかける必要があるのかも知れません。
Z世代の部下を育成する手引き書
Z世代の部下を育成するには4つの方法を全て取り入れるようにしてください。
- フィードバックを頻繁に
- アイデンティティを尊重
- 動画で勉強する機会の増加
- 進捗度合いを可視化
Z世代に対しては以上4つを意識しましょう。
Z世代は仕事をしたいと思っています。
世代に合う形になっていないから上手く会社に馴染めていないだけです。
4つを実践していただければZ世代である新入社員もきっと素晴らしい社員となることでしょう。
Z世代へのフィードバックは頻繁に
先ほどお伝えしましたが、Z世代は会話の量よりも頻度を重視しています。
仕事に対する意欲があるので、良い点も悪い点も積極的に知りたがっています。
そして自分の仕事がどこに貢献しているかも教えてあげましょう。
Z世代の新入社員は「自分の仕事は会社全体のどこに貢献できているのだろう?」と考えています。
最初のうちはほとんど貢献する箇所がないかも知れません。
しかし一部でも貢献できていると感じると、Z世代はより一層仕事に打ち込むようになります。
Z世代に対する部下育成では、1週間に1度は良かった点と悪かった点、貢献している点の3つを伝えるようにしましょう。
Z世代の定着率を33%高める接し方
会社としてはZ世代がなかなか定着しないと悩んでいるかも知れません。
一般的に新卒の新入社員が入社3年以内で退職する確率は約30%と言われています。
しかしZ世代にあることをするだけで定着率が33%UPするなら嬉しいですよね。
人を採用するときはお金が何十万〜何百万とかかります。
これを削減することができるので非常に重要なことです。
新入社員であるZ世代の定着率を33%高めるには、『個人のアイデンティティを重視した研修を導入する』ことです。
Z世代は一社員よりも1人の人間として扱われることを望んでいます。
例えば入社したときに、採用した理由を伝えてあげるとモチベーションが高まります。
「あなたの〇〇な点に期待している」と伝えることで、Z世代はそれを伸ばすように行動を始めます。
逆に今後身につけて欲しい能力も同時に伝えることで、自然と勉強を始めるでしょう。
入社してくるZ世代には期待を個人的に伝え、ピグマリオン効果を狙うと良い一層活躍してくれる社員に育ちます。
Z世代は実はどの世代よりも勤勉だった
「Z世代はスマホばかり触っていて怠け者だ」と感じたことはありませんか。
実はあなたの考えは逆でした。
Z世代の実態によると、85%のZ世代は「新しいことを学ぶために週1回はインターネットで動画を見る」と回答しています。
常に新しい知識や情報をインプットしている世代がZ世代です。
副業をすることが普通となっている現代では、Z世代は学び続けているので有利です。
部下に新しいことを学んで欲しいと感じているなら、動画で勉強できるようにしてあげましょう。
YouTubeに動画を作ることですぐにZ世代は学び始めます。
動画を作るだけでも良いのですが、わかりやすくゲーム感覚で学んでもらうために、ロードマップを作成すると良いでしょう。
今どこまで勉強できたのかが見える形になるとZ世代はより学ぶようになります。
Z世代は小さな目標がやる気を引き出す
先ほどZ世代は9ヶ月以内の昇給を期待していると述べました。
Z世代をやる気にするためには昇給までのゴールと中継地点を伝えましょう。
昇給までどのくらい進んでいるのかがわかるだけでZ世代はやる気になります。
逆に何をしたら昇給するのか不明な場合はZ世代は離職する可能性が高いです。
Z世代は自分の努力や行動に早いフィードバックが返ってくる環境で育っています。
そのため行動に対する結果や反応がわかると仕事を今以上に頑張るでしょう。
頑張りを評価する制度を導入すると新入社員の定着率が高まる可能性があります。
進捗度合いが可視化できるような仕組みを作ってみましょう。
Z世代の部下育成は会社の運命を左右する
Z世代は1996年から2012年生まれの世代を指します。
つまり今後入社する世代のほとんどがZ世代です。
これからの部下育成ではZ世代向けの育て方をすることが会社にとっては重要です。
Z世代の特徴は3つです。
- フィードバックが早いと嬉しい
- ポジティブな励ましや後押しを求める
- 昇給は早い段階から期待する
そして部下育成で大切なことは4つです。
- 会話は量より頻度
- 個性を尊重して育成
- 動画での勉強環境を充実
- ゴールと道のりを明確に
以上を守りながらZ世代の部下育成をすると、「最近の新入社員は何を考えているのかわからない」が解消されるでしょう。
今までの社員と違う世代なので上手くいかないのは当たり前です。
柔軟な考え方でZ世代の新入社員を優秀な社員へと育て上げてください。